一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「あの子……病気なの。末期の胃ガンで、お医者さまにはあと三ヶ月の命だって言われてて……」
末期の胃ガン?
余命三ヶ月?
あまりのショックで、頭の中が真っ白になった。
「今年のお正月が終わった頃からお腹に違和感を覚えたらしいの。でも、すぐに原因がわからなくて、大学で倒れて病院に運ばれてね。そこで初めて胃ガンだって言われて手術や抗がん剤治療もしたのだけれど、根治しなかったのよ」
おばさんは話を続けるが、璃子がガンという事実を受け入れられない自分がいた。
「……そうだったんですね」
動揺してそれしか言葉が出て来ない。
「余命宣告されてから退院したんだけど、あの子……匡君のそばにいたいって言って……」
「それで俺のマンションに来たんですね」
力なくそう言って、ギュッと唇を噛む。
あのバカ……。
「あの子の最後の願いなの。どうしても叶えてあげたくて……匡君のご両親や直君に協力してもらったの。匡君には迷惑かけて本当に……本当に……ごめんなさい」
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