一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
10,俺の決意
接待が終わって家に帰ると、リビングで璃子が寝ていた。
時刻は午後十一時過ぎ。
今日もぐっすり寝てるな。
「ただいま」
小声で言って、璃子の手首に触れる。
それは最近俺の日課になっている彼女の体温の確認。
体温計を使えば、音が出て起こしてしまうかもしれない。
「今日も平熱」
ポツリと呟き、ホッと胸を撫で下ろす。
十二月の中旬となれば、気温も下がり、風邪が流行り出す。
ガン患者にとって風邪は天敵だと誰かに聞いたことがある。
風邪を引いてガンが一気に進行し、下手をすると命取りになるらしい。
だから、俺も手洗いうがいには気をつけているし、家に加湿器を置いて部屋の中が乾燥しないよう注意している。
テーブルの上にはノートパソコン、洋書、ノート、それとイギリスのガイドブックが置かれていた。
多分、久野さんに頼まれて大学の資料を作っていたのだろう。
ここ数日同じような状態が続いている。
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