一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
それから匡の車にまた乗るが、マンションに帰る方向とは違う道を走っていて思わず首を傾げた。
「ねえ、この道、違うんじゃない?」
「ちょっとドライブしよう。せっかく車を出したんだから、ただ帰るのもつまらない」
匡は前を見据えたまま表情を変えずに言う。
確かに。明日は土曜で匡は仕事休みだし、すぐに帰らなくても問題はない。
「夜のドライブか。いいね」
昔はよく匡に連絡して部活が遅いと迎えに来てもらったなあ。
『なんで俺が』と文句を言いつつも、彼はいつも迎えに来てくれて、帰りにオシャレなカフェに連れて行ってくれたりしたんだよね。
カフェにいた女の子達の視線を彼はいつも集めていたっけ。
車は埠頭の方に向かっていて、しばらくしてアクアラインを通り、海ほたるパーキングエリアへ。
匡が駐車場に車を停め、シートベルトを外した。
「ここで休憩」
「海ほたる来たの始めて」
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