一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
そのことを考えていたら、マンションのエントランスの方のインターホンが鳴った。
すぐにリビングに行って応対すれば、しばらくしてまた玄関のインターホンが鳴らされて、ドアを開ける。
「こんにちは」
にこやかに挨拶するが、彼女はぶっきら棒に「どうも」と応えてまじまじと玄関を見た。
「あの……これ、匡の荷物です」
スーツケースを差し出すと、中川さんは目を細めて私を見る。
「すっかり女房気取りですね。病気だからって好き勝手していいんですか?」
彼女の発言に呆気に取られた。
「え?」
なんで私が病気だって知ってるの?
「前に偶然社長と副社長の会話を耳にしたんです。婚約者というのは嘘のようですね。ただの幼馴染が副社長に迷惑かけていいんですか?」
彼女に責められて、困惑した。
「迷惑って……」
「あなたがいなければ、副社長は十月と十一月に海外出張に行って大事な商談をまとめる予定でした。ですが、あなたが副社長のところにやって来たものだから、社長命令で海外出張はなしになったんですよ」
すぐにリビングに行って応対すれば、しばらくしてまた玄関のインターホンが鳴らされて、ドアを開ける。
「こんにちは」
にこやかに挨拶するが、彼女はぶっきら棒に「どうも」と応えてまじまじと玄関を見た。
「あの……これ、匡の荷物です」
スーツケースを差し出すと、中川さんは目を細めて私を見る。
「すっかり女房気取りですね。病気だからって好き勝手していいんですか?」
彼女の発言に呆気に取られた。
「え?」
なんで私が病気だって知ってるの?
「前に偶然社長と副社長の会話を耳にしたんです。婚約者というのは嘘のようですね。ただの幼馴染が副社長に迷惑かけていいんですか?」
彼女に責められて、困惑した。
「迷惑って……」
「あなたがいなければ、副社長は十月と十一月に海外出張に行って大事な商談をまとめる予定でした。ですが、あなたが副社長のところにやって来たものだから、社長命令で海外出張はなしになったんですよ」