一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
私の存在が彼の迷惑になる。
もう出て行こう。
準備することはリストにしてある。
自分の服をスーツケースに入れ、浴室や洗面所にあるシャンプーや化粧品を片付けると、匡にもらったカードをリビングのテーブルの上に置く。
そして、彼に一筆書いた。
【お世話になりました】
もっと書きたいことはいっぱいあったけど、あまり長くなると彼に変に思われる。
これくらい簡潔な方がいい。
去年の私ならそう書くはずだ。
最後に、赤い包装紙で綺麗にラッピングされた匡へのクリスマスプレゼントを置く。
中身はエンジ色のネクタイ。
先週の土曜日、匡が好きなブランド店を見てひと目惚れしたもの。
匡は戦隊モノで言うと、リーダーの赤のイメージがあって、似合うと思ったのだ。
「気に入ってくれるといいな」
忘年会出来なくてごめんね。
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