一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
それで、京介は深く反省したのか、愛する妹から離れて渡米。
それが四年前の話。
大学ではシスコンの兄から解放されて、璃子は伸び伸び過ごしていたようだ。
夏休みに海外に短期留学したり、女友達と温泉に行ったりして、俺にラインで写真を送ってきた。
だが、考えてみると、今年の正月に実家で会って以来、璃子には会っていないし、ラインもない。
彼女の就職祝いも買ってあったのだが、渡せないまま月日が流れてもう秋になってしまった。
今までずっと髪はロングだったのに、バッサリ切ったんだな。
だからすぐに璃子だとわからなかった。
髪型が変わったのにも驚いたが、変わったのはそれだけではない。
身体がほっそりしていて、肌も雪のように真っ白だ。
正月に会った時は、スキー焼けして健康的だったのに、今目の前にいる彼女は弱々しく見える。
手を伸ばして璃子の頬に触れた。
だが、彼女が起きる様子はない。
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