一生、俺のそばにいて～エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで～

それだけ疲れているのだろうか？
この十ヶ月で一体なにがあったのか。
それにどうしてここにいる？
答えは本人に聞くしかない。
「璃子、おい璃子！」
彼女の名を呼ぶが、寝ぼけているのかすぐに起きない。
「うーん、煩い。もうちょっと寝かせて」
ったく、世話をかけさせる女だな。
仕方なく彼女の頬を軽くつまんだら、やっと起きた。
「痛いよ」
頬を押さえて俺に恨みがましい視線を向ける璃子。
その彼女はいつも通りで少しホッとしたが、「お前がなんで俺のマンションにいる？どうやって部屋に入った？」と問えば、アパートに下着泥棒が出たともっともらしい理由を口にした。
しかし、俺は信じていない。
それに、痩せてしまった理由も最初は夏バテとか言っていたが、俺が『失恋』ワードを出したら、少し
傷ついた表情になって曖昧にではあるが認めた。
だが、なにかが引っかかる。
璃子は明らかになにかを隠している。