一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「璃子、お前、風呂には入ったのか?」
そう声をかけるが反応がない。
返事がしないと思ったら、彼女はソファに横になって寝ていた。
「さっきも寝てたくせにまた寝るのか?」
俺は三十分もお風呂に入っていなかったのにな。
なにをしてそんなに疲れたのか。
人の家でぐーすか寝るなんて無防備過ぎるだろ。
璃子の寝顔を見てハーッと溜め息をついたら、彼女がボソッと寝言を言って……。
「匡……にんじん……残しちゃダメ」
その言葉につい吹き出してしまった。
「お前は母親気取りか」
ツンと璃子の鼻をつつくが彼女は起きない。
「こんなところで寝てもゆっくり休めないだろ」
璃子は寝ているのにボソッと文句を言って彼女を抱き上げる。
だが、あまりにも軽くて驚いた。
ホント、彼女の身になにがあったのだろう。
うちにベッドはひとつしかないので俺の寝室に連れていって寝かせた。
「おやすみ」
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