一生、俺のそばにいて～エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで～

「イケメンっていうか、あれは美形男子。ここだけの話、見つめられるとドキッとしちゃう」
優里に顔を近づけて声を潜める。
匡はギリシャ彫刻のように綺麗な顔立ちをしていて、私が会った中で一番格好いい男性だ。
「直君も中性的な顔立ちしててイケメンだもんね」
私の話に優里がそうコメントしたら、直君が目の前にいて驚いた。
「俺がなに？」
「い、いえ、直君のお兄さんの話をしていて……あの……その……」
優里が直君を見てあたふたする。
実は彼女は彼に片思いしているのだ。
「直君、今日講義あったんだ？」
私が彼女をフォローして話題を変えれば、彼は私の方に視線を向けた。
「まあね。俺も一緒に食べていい？」
「どうぞ、どうぞ」
笑顔で直君に頷くと、彼は私の隣に座った。
「兄貴はどう？」
「うーん、いつもと変わらない。昨日は帰れって言われたけど、結局いてもいいってことになってね。明日の朝食はサバの味噌煮作れって」