一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「あ~、それはご馳走さま。昨日も言ったけど、兄貴に告ればいいのに」
またその話か。
直君にしてはやけに煩いな。
「あのね、焚き付けないでくれる?匡は私のことをまだ子供だって思ってるんだから」
目を細めて睨むが、直君は微かに口角を上げた。
「そうかな?」
「俺がお前のオムツ替えてやったんだんだって何回言われたと思う?両思いなんて無理無理」
諦めさせようとそんなぶっちゃけ話をするけれども、彼は引かない。
「せっかくひとつ屋根の下にいるんだから、夜這いでもすればいいのに」
彼の過激な発言に驚き、思わずむせた。
「コホッ、コホッ。ちょっ……夜這いして拒絶されたら、一生立ち直れないわよ。そもそも夜這いするような女、好きになる?」
「それは相手によるかな。璃子ちゃんが相手なら、兄貴はOKすると思うけど」
直君の言葉にカチンとくる。
適当なことを言わないでほしい。
「その根拠はなに?」
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