一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「ちょっと無視しないでよ」
「お前の話に付き合うと、いつまで経ってもメシが食えないだろうが。俺、しらす丼にする」
何事も即決タイプの彼はなにを頼むか決めると、椅子の背にもたれかかり長い足を組んだ。
しらす丼、いいチョイスだと思う。
「私も同じのにする。せっかく伊豆に来たんだもん」
店員さんにしらす丼を頼み、窓からの景色を眺める。
そばに海もあって、一日ここでボーッとしていたくなる。
遠出したのも久しぶりだもんね。
「匡は今日用事なかったの?ジムとか行きそうなのに」
「家族サービスってところだな。だが、たまにこんな風に出かけるのもいいかも。最近仕事忙しかったから」
副社長だし、おじさまを支えるために夜遅くまで仕事してるんだろうな。
御曹司だけど、匡が副社長になったのも彼の努力と実力だと思う。
無能だったらおじさまだって副社長には推さないはずだ。
「お父さんは大変ですね」
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