一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
問い詰めると、彼はタオルを外して否定した。
「見てない。洗面器が突然飛んできて、お前の裸なんか見る余裕もなかった。俺もシャワー浴びてくる」
匡はつまらなそうに言って、浴室へ向かう。
どうやら本当に見ていないようだ。
安心してソファに腰を下ろすと、シャワーの音と共に匡の裸が見えて……。
ぎゃあああ〜。
心の中で悲鳴を上げて、彼がさっきまで使っていたタオルで目を隠す。
……心臓に悪い。
ラブホなんか嫌いだ。
本当なら今頃温泉に着いて、茶菓子でも食べていただろうに……。
十五分ほど目を隠してじっとしていたら、匡にポンと頭を叩かれた。
「お前、俺の裸はしっかりと見ただろう?」
ニヤニヤ顔でからかう彼にカチンとくる。
「見たくて見たんじゃないわよ!」
「別に俺は見られても全然平気だけど」
「露出狂」
匡をじっとりと見てそう揶揄するが、彼は平然としている。
「なんか腹減ってきたな」
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