俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
意味がわからない……!


なにが悲しくて、こんななにもかも完璧な美形男性に足を見せなければいけないのか、絶対に嫌だ。

罰ゲームだとしても笑えない。


「無理です!」

「一夜を過ごした仲なのにか?」

「あ、あれは不可抗力です」

返答するも、耳が熱くなるのを感じる。

「我慢強いのも、弱みを見せようとしないのも、浦部さんのいいところかもしれないけど、何事も限度があるからな」

そう言ってぽん、と大きな手で頭を撫でられた。


「……浦部さんはもっと自分を大切にすべきだ」

頭を撫でていた手が下に下がって、頬にそっと触れる。


伏し目がちの目が物憂げに私を見つめる。

急に真剣な声音を響かせる彼に息を呑む。


その声に僅かにイラ立ちが滲んでいる気がするのは勘違いだろうか。

どうして足を怪我しただけで不機嫌になるのかわからない。
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