俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「よかったら、あなたもパーティーに参加してもらえない? これ招待状なの。あなたから館長にお渡し願えるかしら?」

バッグから取り出した真っ白な封筒をおずおずと差し出す。

きつく唇を噛みしめるその様子はなにかをこらえているように見えた。


彼は無表情のまま、その封筒を受け取った。

幾分ホッとした様子の女性の視線がおもむろに私に向けられた瞬間、悲哀と動揺が彼女の目に宿った気がした。


……どうしてそんな目で私を見るのだろう。


値踏みするかのように凝視され、襲ってくる居心地の悪さに視線を逸らしたのは私だった。

見つめられた時間は数秒にも満たないはずなのに、とても長く感じられた。


「沙和」


向けられる眼差しは先ほどと変わらない、穏やかで優しいもので安堵する。

声もとても労り深く、気にかけてくれているのだと感じた。


「……こちらの女性は?」

女性の視線が、絡められたままの私たちの指に移動する。


「俺の誰より大切な女性だ。彼女との将来を真剣に考えている」


躊躇いもせず言われて、息を呑んだ。

驚き、声を出せない私をなだめるように、ゆっくり指をほどいて腰に手を回し、引き寄せられる。
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