俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「沙和、俺を見て。綺麗だ、よく似合っている。ああ、もちろんさっきのウェディングドレス姿も素晴らしかったが」

恐る恐る頭を上げた私の目に飛び込んできた優しい眼差しに、胸が震える。

甘い目で見つめられて言葉を失う。


「ええ、本当にお似合いです。女性をお連れになったのは初めてで驚きました。しかもこの色の組み合わせを自らご指定なさるなんて」

堤チーフが訳知り顔で言う。

「大事な婚約者だからね」


そんな言い方をしたら、あとで引っ込みがつかなくなって、いろいろ困るんじゃないのかな……。


私の心配をよそに、ここでも堂々と言い切られて、身体中がカッと熱くなる。


「まあ、やっぱり! おふたり、とてもお似合いですわ」

……予想通りの展開にもはや溜め息しか出てこない。


私が身に着けていたものすべてを買い上げて、さらには試着した服のほとんどを買い求めた。

洋服一着の値段は考えなくても高額だとわかる。

何度も必要ないと言ったけれど、まったく聞き入れてもらえなかった。
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