俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
『沙和ちゃん、愁と婚約って……本当なの!? まさか無理やりじゃないわよね?』

『は、はい。きちんとお互いの気持ちを伝えたので……』

念のため、リハビリも兼ねている件も正直に伝える。

きっと取り繕っても頼子さんにはすぐに見抜かれてしまうだろうから。


『……そんないきさつがあったのね、それならよかった。沙和ちゃんが本当に弟の伴侶になってくれたらいいのに。ああ、それとこの間は撮影会、ありがとう。新婦役を引き受けてくれて、助かったわ! 仕上がったら見せるわね』

『あ、あの反対じゃないんですか?』

嬉々として話す頼子さんに問いかける。

『反対? なにが?』

『私はどこかのご令嬢でもないですし……』


それが一番の懸念事項だ。

釣り合わない、と言われてしまえばそれまでなのだから。


頼子さんはそんな背景だけで人を判断するような人ではないと知っている。

それでもこれだけの巨大企業の御曹司の婚約者となると話は変わってくるのでは、と怖くなる。


『嫌だ、沙和ちゃん! そんなの気にする必要ないわ』

気持ちいいくらいにキッパリと言い切られる。
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