俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「沙和は俺の声だけを聞いていればいい」

緊張でガチガチになっている私を気遣うように、そっと耳打ちされる。


「俺の婚約者はここにいる誰よりも魅力的だ。津田から離れるなよ」

忠告をしつつ、彼は押し寄せる人並みに向き合う。

私は少しその場から下がる。


「社長はこういったパーティーにはほとんど出席されません。ですので、出席された際にはビジネスの話をしたがる方が大勢いらっしゃるのです。もちろんそれだけが目的ではない方も大勢いらっしゃいますが」

背後から津田さんが助言してくれた。


パーティーに不慣れな私のために、津田さんも同行してくれている。


愁さん自身がたくさんの人に取り囲まれ、私がひとりにならないための配慮だろう。

その温かさが嬉しくて、そして少し申し訳なかった。
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