俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
愁さんと接触を断って二週間ほど経った。


最近は食欲も落ちていて、夜もうまく熟睡できない。

周りの景色が色を失くしているかのように鬱々としてしまう。


時間が経つにつれ、ネットニュースは忘れ去られている気がするが、それでもたまに誰かから視線を向けられているような気がしてしまう。


不思議なことに、会社からはなにも言われなかった。


頼子さんからは連絡があり、切羽詰まった様子で謝罪された。

詳細を問われて説明したところ、弟に責任をとらせると頼子さんは息巻いていた。


もちろん辺見さんに言われた内容について、ドレス以外の点は伏せておいた。

怒り心頭している頼子さんを必死で止め、大事にしないでほしいとだけお願いした。

すでに記事への対応はしてあると言われホッとした。


親友はネットニュースなんて無数にあるからすぐに風化する、と慰めてくれた。

誰かに問い詰められた時は人違いだと言えばいいと助言ももらった。


打ち込める仕事があるのが幸いだった。

勤務している時は余計な考えを持たずにいられるから。

他部署の親友にまで小言を言われるくらいに、毎日必死で仕事をこなしていた。


今日は午後から、新たに立ち上げた提携ローンの運営方法を検討するため、都内にあるローンセンターで打ち合わせをしていた。

なかなか意見がまとまらず、思いのほか長引いてしまった。

ひと段落ついた頃には定時もずいぶん過ぎていた。

今回問題提起した点については後日、もう一度検討するはこびとなり、解散となった。
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