俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「千奈さんは立花さんと最近うまくいっていないらしいんだ。俺に相談されてもどうしようもないんだが、家族には言えないと助けを求められて……。千奈さんの件は立花さんとの話し合いが済んだらきちんと話すから少し待ってほしい」

辺見さんにとって、困っている時に一番頼りたい、頼れる人は愁さんなのかもしれない。


嫌な不安が頭をよぎる。


……今までの両家の関係や、立花さんとの会社との繋がりもあるせいかもしれない。

愁さんは私を好きだと言ってくれたのだから、深く考えすぎるのはやめよう。


「こんな話をされても困るよな、悪かった。ただもう沙和には嘘も隠し事もしたくないんだ。不安にさせて失いたくない、沙和以上に大事な女性はいない。沙和が好きで仕方ないんだ」

だからそんな顔をするな、と額に唇を寄せられ頬がカアッと火照りだす。


私、どんな表情をしていたんだろう……。


「俺を選んで。きちんと本物の婚約者になってくれないか。……沙和だけが欲しいんだ」


私を覗き込んで訴える目は、とても熱くて真剣だった。


「沙和を愛してる」


真っ直ぐに向けられた気持ちが胸に深く沁みこんでいく。

ゴクリと喉を鳴らして綺麗な目を見返し、震えそうになる心を叱咤しつつ唇を開く。


大事な気持ちを、本心をきちんと伝えなくてはいけない。
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