俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「……あなたが好き、です」


口に出した途端、胸が震えて『好き』以上に熱い想いが込み上げてくる。

言葉に出すと、どうしてこんなにも気持ちを実感するのだろう。


この想いをどう表現したらいい? なにを言えば私の気持ちがすべて伝わるの?


「あなたを愛してる」


考えるよりも先にその言葉がするりとこぼれ落ち、胸の中にストンと収まる。


ああ、そうか、私はずっとそう想っていたんだ。


「沙和」

ほんの一瞬、虚を突かれたような表情を見せた愁さんに、さらに強く抱きしめられる。

その香りと温もりにまた泣きたくなった。


どうして離れられると思ったんだろう。こんなにもこの腕の中に還りたかったのに。


「……今日、会えてよかった。電話にも出ないし庭園にも来ないし、そろそろ俺も限界だったから。明日にはどんな手段を使っても沙和に会いに行くつもりでいたんだ」

「ご、ごめんなさい……」


どんな手段もって……どうするつもりだったんだろう。


聞くのが怖い気がする。

「いや、俺の不甲斐なさで不安にさせたせいだって理解してる。それでも会いたくて触れたくて我慢できなかった」

真っ直ぐすぎる表現に身体がカッと熱を持つ。
< 179 / 227 >

この作品をシェア

pagetop