俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「今すぐにでも襲いたくなるけど、今日はきちんと話したい」


ほんの少し甘さと熱をはらんだ声で言って、私を近くのソファに座らせた。

その言葉に身体がカッと熱を持つ。

右隣に彼が腰かけた時、ぐうっとお腹が大きな音をたてた。


こ、こんな時に私……!


あまりの恥ずかしさにうつむく。

最近は食欲がなかったのだが、きっと想いが通じて気持ちが緩んだせいもあるだろう。


「とりあえず、ルームサービスでも頼もうか? 俺も腹減ったし」

クスリと声を漏らし、メニューを見せてくれるこの人は本当に優しい。


その後、お互いになにが食べたいかを言い合いながら注文をした。


六人掛けの大きめのダイニングテーブルに温かく美味しそうな食事が準備されている。

私の右隣に愁さんが腰かけた。


「……あの、愁さん?」

「なに?」

私の腰に片腕を回し、先ほどから甲斐甲斐しく食事を食べさせてくれる。


「これじゃ愁さんが食べられないよね……? 私、ひとりで食べられるし、落ち着かないので……」

必死で抗議をするが聞く耳を持ってくれない。


「今すぐ同棲してくれるならやめるけど?」

いたずらっ子のような目を向けて、さらりととんでもないセリフを言う。


「ええと、考える時間をくれるって……」

「沙和に関しては短気だから、早く返事してって言わなかったか?」

悪びれもせず、クスクスと笑みを深める姿に絶句する。
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