俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
やっとの思いで自宅にたどり着いた。

気が抜けたせいか、頭痛がひどくなった気がする。


……そういえば昨夜飲んでいたお酒はどうしたんだろう。

ホテルの部屋に置いたまま?

それともあの男性がすでに処分してくれた?

……飲みすぎて吐いたり、迷惑をかけなかっただろうか……。


バッグを寝室のベッドの上に投げ出したはずみで、スマートフォンが飛び出した。

誰かから着信があったようでランプが点滅している。

のろのろとスマートフォンに手を伸ばしかけた瞬間、スマートフォンは上着のポケットに入れていたはずと思い出す。


あの男性がバッグに入れ直してくれたのだろうか。

ホテルに連れて行ってくれた、名も知らぬ男性は、どうやらとても親切な人だったようだ。

こんな状態だったら、なにか盗られていてもおかしくはないのに。


「……もう、本当にいい歳してなにやってるんだろ……」

自嘲気味に呟き、改めてスマートフォンを手に取ると、頼子さんからの着信が何件も残っていた。


『何時でもいいから読んだら電話してちょうだい!』

ほかにも私の安否を問うメッセージが何件も入っていた。


こんなに心配をかけてしまっているなんて……とにかく電話しなくちゃ。

メッセージは後から確認しよう。
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