俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
付き合って半年近くが過ぎたけれど、愁さんは変わらず私を大切にしてくれている。

言葉で、態度で、その想いを余すことなく伝えてくれていてとても幸せな日々を送っている。

確かに多少過保護すぎるきらいはある気がするけれど。


引っ越しを決断する前は、ありとあらゆる甘い言葉で説得されていた。

お互いの仕事の都合もあり、なかなか日取りも決まらず、それもまた愁さんをヤキモキさせていたようだ。


ともに暮らすにあたり、愁さんはけじめだと言って両親へ挨拶に来てくれた。

私の実家は都内から一時間半近く電車を乗り継いだ場所にある。


両親は共働きの会社員で、ふたつ年下の弟、雅也(まさや)は大阪で暮らしている。

雅也は今日のために仕事を休み、帰ってきてくれた。


迎えた両親と弟は彼の端正な容姿と肩書に驚きを隠せないようだった。

両親へ照れもせず、真摯に私への想いを打ち明け、きちんと同居を願い出てくれる姿に胸がいっぱいになった。


『沙和さんを心から愛しています。私の一生をかけて守り、ともに幸せになりたいと願っています。どうか結婚を前提にした同棲を許していただけませんか。改めて近い将来に、必ず結婚のお許しをいただきに参ります』

その真っ直ぐな想いに胸が甘く締めつけられた。
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