俺の妻は本当に可愛い～恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています～

「そうですよね、青色ですもの。すごい独占欲ですね」

「さすが千奈ちゃん。そう、我が社のカラーよ。婚約ドレスの代わりってとこね。本当、あの子ってばそんなところには気が回るんだから」

呆れたような口調で話されて言葉に詰まる。

贈られた当初、私はその思惑にまったく気づいていなかった。


『毎日つけて』


婚約者にそう告げられて仕事の時や頼子さんや千奈さんに会う時にもつけていると、目ざとい頼子さんに指摘されたのだ。

さすがは実姉、婚約ドレスの代わりだと確信を持っていたらしく、その場で弟に電話をして確認していた。

ふたりの会話を後で教えてもらった私は羞恥でいっぱいになってしまった。


「あ、あのキッズカフェのおもちゃの件ですが……」

気恥ずかしさに耐えられなくなり、話を逸らすと口角を上げた千奈さんが肩をすくめる。

「ちょっとからかいすぎちゃったわ。でも沙和さんは反応が可愛いから、ついつい聞きたくなってしまうのよ」

「そうね、ごめんなさい。ええと、おもちゃの件よね。娘にも確認したんだけどやっぱりこのくらいの年齢の子にはこのシリーズがお気に入りみたいね」

そう言って、頼子さんはバッグの中から分厚い資料を取り出す。