俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「ちょ、ちょっと待ってください、誤解です! 私はなにもされていませんし、むしろ助けていただいたのだと思います。謝罪や罰なんてやめてください」

強引に連れ込んだと誤解している頼子さんに、必死で説明する。

愁さん、というあの男性は、姉である頼子さんに昨夜の一件をいまだ伝えていないようだ。


まさか報告もできないほどの失態を私が犯した? 


それこそもう羞恥で合わせる顔がないが、迷惑をかけた謝罪はしなくてはいけない。

したくもない介抱までしたのに、姉に説教されるなんてとばっちりもいいところだろう。

本来ならこちらがお詫びしなくてはいけない立場だ。


「きっと私のほうがご面倒をかけたと思うので……せめて宿泊代金をお支払いさせていただきたいんです」

『まあ、なにを言っているの、沙和ちゃん! そんなの愁に支払わせておけばいいのよ。むしろ慰謝料をとってやりたいくらいだわ。可愛い沙和ちゃんによくも……』

どうしても頼子さんの中で、愁さんは悪者のイメージのようだ。

「いえ、あの、少しお金を置かせていただいたんですけど、それで足りているかわからないので……」

『ええっ? なんでそんな真似を……いろいろとお説教したい件が山ほどあるわね。いいこと、沙和ちゃん? 見知らぬ男性と一夜をともにして、しかも記憶もないのにそんな冷静な対応はいらないの。それよりも自分の身の安全をまずは確保しなきゃいけないでしょ』
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