俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「えっ!?」

思わず注文したカルボナーラを取り損ねそうになる。

「落ち着いて、まだ噂だから」

冷静な返答とともに、親友がトレーにカルボナーラを載せてくれた。


すずはなぜかやたらと社内情報に長けている。

噂好きというわけではないのだが、情報収集力が素晴らしいのだ。

噂話に疎い私は、課長情報をいつも教えてもらっている。


現在、課長はすずと同じフロアの法人戦略室に所属している。

時折姿を見かけて挨拶をするだけで緊張してしまい、ろくな会話もできない。

すずはそんな私に日々呆れている。


過去に恋人はいたけれど、異性の友人と呼べるような人はいない。

すずのように社外にカッコいい恋人がいて、さらには異性の幼馴染みまでいるなんていう素敵なものではない。


窓際の四人掛けテーブル席が空いていたので、親友と向かい合わせに座る。

「課長、結婚する、の……?」

胸がキリキリと締めつけられ、掠れた声が出た。


ああ、どうしよう。

そんなの耐えられない。
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