俺の妻は本当に可愛い～恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています～
昼休みを終え、会社に戻る。

社内に足を踏み入れた時、周囲がなぜかざわついているような気がした。


「今日ってイベントの予定とかあった？」

エントランスを抜けて、隣を歩く親友に尋ねる。


本社では広いエントランスを利用し、時折、外部のお客様を招いて閉店後に演奏会やセミナーを行っている。

「特になにもなかったと思うけど……ボーナス時期だからじゃないの？」

財布を片手に握り、興味がないような表情を浮かべたすずが、視線を店舗に向ける。


一階の一角には東京営業部の店舗がある。

昼時は近隣の会社で勤務する人が手続きによく訪れている。


「それにしては人が多い気がするけど……気のせいかな」

独り言のように呟いてエレベーターに乗り込む。


親友に手を振ってフロアに戻る途中、後ろから慌てた様子で走ってきた、男性社員数人に追い越された。

いつもとは違う違和感を抱きながらものんびり自席に戻る。
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