俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
4.「俺を本気で好きになれ」
翌日、営業部長には板谷社長との関係を邪推されるどころか、感謝されてしまった。
来訪はとても喜ばしいのだと何度も言われて、複雑な気分になった。
滞在時間は数十分にも満たなかったのに、その存在は本社ビル内の女性社員に強烈な印象を与えたようだ。
『ものすごいイケメン!』
『独身よね? 決まった方はいらっしゃるのかしら』
そんな噂話があちらこちらで連日のように囁かれている。
中身はあんなにも一般的な王子様像から程遠いのに、外見が極上で大企業の社長だと、やはりこうも違うのかと溜め息をつきたくなる。
こちらとしては、まったくかかわりたくない。
『さすがね、王子様』
仕事の相談のため内線電話をかけると、すずが楽しげな声を漏らす。
親友には昨夜電話をして、一部始終を話してあった。
「……面白がっているでしょ?」
咄嗟に声を潜めて、返事をする。
『まさか。ふたりの次回のデートの時は是非私も会ってみたいわ』
「デートじゃないから」
『そう? でもまさかこんな正攻法で切り込んでくると思わなかったわ。一体誰に、なにを見せつけたいのかしらね?』
牽制かしら、なんてよくわからないセリフを呟く。
「なんの話?」
『わざわざ王子様が自分の存在を、お姫様以外の人間に知らしめた理由よ』
……言っている意味がまったく理解できない。
「ただの気まぐれでしょ、そもそもお姫様って誰?」
『沙和に決まってるじゃない』
「……意味がわからないんだけど。なんでそうなるの?」
拗ねるような口調で言い返した後、焦って周囲を見回し会話を早々に切り上げた。
来訪はとても喜ばしいのだと何度も言われて、複雑な気分になった。
滞在時間は数十分にも満たなかったのに、その存在は本社ビル内の女性社員に強烈な印象を与えたようだ。
『ものすごいイケメン!』
『独身よね? 決まった方はいらっしゃるのかしら』
そんな噂話があちらこちらで連日のように囁かれている。
中身はあんなにも一般的な王子様像から程遠いのに、外見が極上で大企業の社長だと、やはりこうも違うのかと溜め息をつきたくなる。
こちらとしては、まったくかかわりたくない。
『さすがね、王子様』
仕事の相談のため内線電話をかけると、すずが楽しげな声を漏らす。
親友には昨夜電話をして、一部始終を話してあった。
「……面白がっているでしょ?」
咄嗟に声を潜めて、返事をする。
『まさか。ふたりの次回のデートの時は是非私も会ってみたいわ』
「デートじゃないから」
『そう? でもまさかこんな正攻法で切り込んでくると思わなかったわ。一体誰に、なにを見せつけたいのかしらね?』
牽制かしら、なんてよくわからないセリフを呟く。
「なんの話?」
『わざわざ王子様が自分の存在を、お姫様以外の人間に知らしめた理由よ』
……言っている意味がまったく理解できない。
「ただの気まぐれでしょ、そもそもお姫様って誰?」
『沙和に決まってるじゃない』
「……意味がわからないんだけど。なんでそうなるの?」
拗ねるような口調で言い返した後、焦って周囲を見回し会話を早々に切り上げた。