俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「ああ、それでどんな靴を履いてるか、なんてメッセージを送ってきたのね?」

資料を渡しに行った際に靴の話をすると、親友は納得したような表情を見せた。

「そうなの。すず、先月、社内用の靴を買い直してたでしょ?」

「うん、中敷きが捲れてきちゃったから」

「足が楽って言ってたよね? どこのメーカーの靴か教えてくれない?」

親友の履いている靴はシンプルな黒のパンプスだ。

「いいわよ、あとで詳細添付してスマートフォンに送っておく。ネットでも店舗でも買えるわよ。急いでいるなら、店舗で試し履きして買ってきたら?」

「そうする、ありがとう。助かるわ」


終業後、送ってもらった情報を確認する。

ヨガ教室と同じデパート内に店舗があった。

早速向かうと、親切な女性店員が対応してくれる。

足に幅のある私には少し先が窮屈かもしれないと思ったが、時間帯的に浮腫んでいるせいかもしれないと考え、購入した。


翌日、フロア内で早速履いてみたが慣れないせいか、靴擦れをしてしまった。

やはり少し幅が狭かったのかもしれない。

でももう購入してしまったし、仕方がない。


そういえば、壊れてしまったあのパンプスも、最初のうちは足が痛かった。

しばらくすれば馴染むだろうと楽観的にとらえ、机の引き出しから絆創膏を取り出した。
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