キミからの「好き」って、信じていいの?
「じゃあね、ゆゆちゃん」



「桃音〜、また明日ね」



私たちは帰る方向がべつなので、途中で分かれた。



でも、私たちならもしどちらかが付き合えることになっても、また友達としては関われる。



そうだよね?いないゆゆちゃんに問いかける。



もちろん返事は返ってこないけれど、私は大丈夫だろうなと思った。



お互いに信じ合ってるって思えるから。



空を見ると、夕日が今にも沈みそうになっていた。



紫色の空を見て、桃舞くんとはじめて出会ったときのことを思い出していた。



保健室のドアを閉めたときに、きっともう関わることなんてないって思っていた。



けれど、あのあと図書室でも会って勉強を教えてもらえることになって、デートをして、彼のことをたくさん知って。



いろんなことがあったなぁ、この数ヶ月にギュギュっといろんな思い出がつまっていて。



どれも絶対に忘れたくないなぁ。



全部、全部覚えていたいなぁって、空を見上げながら願った。



*



໒꒱



*


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