キミからの「好き」って、信じていいの?
「えー?なんのこと〜?」



真凛はニヤニヤしながらもはぐらかしてきて。



はぁ、と私はため息をついた。



……でも、こんなフリフリの可愛い服が着られるのは今日が最初で最後かもしれないし、恥ずかしさは捨てて自分でも楽しんでもいいのかな?



みんながかわいいって言ってくれたし。



たぶん、壊滅的に似合っていないってことはないはず!



私は無理やり自分を納得させて、真凛のいる調理場へ戻った。



「なにかやることある?」



「あっ、桃音!これ、フルーツの飾りつけをお願いしてもいい〜?」



真凛が渡してきたのは、フルーツのデザインに一番悩んだプレートにクレープを載せるもので。



あえてフルーツがすべて見えるこのメニューは、色合いやデザインなどにとくにこだわって作ったもの。



たしかに、これを素早く作るのはみんなには大変かも……。



このお店の看板メニューになるように、私が最大限頭をひねって考え抜いた芸術品みたいなこのクレープ。


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