キミからの「好き」って、信じていいの?
「じゃあ、桃舞くんはここで待っててね」



「え?桃音も一緒に見るんじゃないの?」



「あ……ちょっと友達の応援してくるから!ごめんね」



ちょっとだけ、桃舞くんにウソをついている罪悪感を感じた。



「そうなんだ。頑張って」



桃舞くんは私の言葉を素直に信じてくれて。



もしかしたら、もう私は桃舞くんのとなりに並ぶことはできないのかなぁなんて思ったら、とても悲しくなって、さびしくなって、苦しくなった。



けれど、これは運命だから。



私が今日告白大会に出ることも。



ゆゆちゃんに告白大会に誘われたことも。



桃舞くんを好きになったことも。全部、全部。



「桃舞くんは運命って信じる?それとも……」



「信じるよ。運命は絶対にあるって、俺は信じてるよ」



いつになく真剣な声で、桃舞くんはそう言った。



「よかった……じゃあ、私も運命を信じるから。だから頑張るね。私、絶対に桃舞くんにこの想いを届けるから……」



私は桃舞くんにそれだけを告げて、そのまま告白大会の会場へと向かった。



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໒꒱



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