キミからの「好き」って、信じていいの?
「はじめてデートしたときも、私はずっと隠れて桃舞くんを見ていたの。私が過去の恋について話したときにかけてくれた言葉。私はどうしようもないほどに嬉しくて、嬉しくて。まるで、私は私でいいんだってすべてを肯定してくれたみたいな気がしたの」



思えば、あのときから私は完全に桃舞くんに心を開いていたんだと思う。



まだ恋が信じられなくて、自分の心にふたをしていたけれど、とっくに私は桃舞くんが好きだったんだ。



「そのあと、テストでも良い結果を出せたら、桃舞くんは喜んでくれるかなって。桃舞くんはどんなスイーツが好きなのかなって。どんな女の子が好みなのかなって。私の心はずっと、ずっと桃舞くんでいっぱいなの……!」



桃舞くんの笑顔が見たくて。



桃舞くんともっと話したくて。



桃舞くんにもっと近づきたくて。



桃舞くんに私のことを好きになってもらいたくて。



私の世界は桃舞くんを中心に回っていたんだ。


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