一樹君の恋人は天使なんです
スースーと心地よい一樹の寝息が聞こえて、なんとなく悠は嬉しさを感じた。
そっと一樹の寝顔を覗き込み、ツンと頬に触れて見た。
プニッっとして無防備な一樹を見ると可愛くて、悠は満面の笑みを浮かべた。
寝顔も綺麗に整っている一樹。
普段は強い口調で俺様的で、イカツイ感じがする一樹だが、寝ている顔はとても可愛くて。
ちょっと悪戯したくなるくらいだ。
「ちょっとだけなら…いいよね? 」
小さく呟いた悠は、ゆっくりと一樹に顔を近づけていった…。
唇が触れる寸前。
グイッと、力強い手で押さえられそのまま一樹と唇が重なった悠。
驚いた悠だが、ギュッと強い力で抱きしめられ動けなくなった。
軽く触れた唇が激しく吸い上げられてゆくのを感じ、悠はギュッと一樹の腕にしがみついた。
離れようとする唇を逃がさないとばかりに、一樹の唇が追いかけて吸い上げて来る…。
スルっと口の中に入って来る一樹…。
「ん…」
声をも出せなくらい、悠は口の中を一樹に犯されてしまった…。
そのままベッドに押し倒されて…。
悠はそっと顔を背けた。
「…ごめん。…やりすぎた…」
申し訳なさそうに、一樹が謝ってきた。
「お前があんまり可愛くて、ずっと隣に寝ているのが…気になって…」
「…別に、謝らなくていいですよ…」
目を開けて、悠はゆっくりと一樹を見た。
目と目が合うと、一樹は驚いた。
眼鏡を外した悠の瞳が…とても綺麗な紫色の瞳で、息を呑むくらいだった。
驚いている一樹を見て、悠はフッと笑った。
「…気持ち悪いって思っているんですよね? 」
「え? 何が? 」
「目の色…気づいたんでしょう? 」
「ああ、綺麗すぎて見惚れていただけだけど…」
「無理しなくていいですよ。…別に、なれていますから…」
「何を言っているんだ。こんな綺麗な目をしているのに、誰がそんなこと言ったんだ? 」
「別に…」
フイッと目を反らした悠…。