一樹君の恋人は天使なんです
「とりあえず、今日は休みだ。慌てることはないから、ゆっくりして行けよ」
「…忙しんでしょう? 」
「別に。仕事の日は忙しくても、休みの日くらい自由にしている。気にするな」
「ふーん…」
そっけない返事をする悠だが、なんとなく可愛く見える。
「飯つくるから、先に風呂入って来いよ」
「着替え…もってないから。…無理だと思われ…」
「それなら心配するな。俺の家には、なーんでもあるんだぜ」
「え? 何それ」
「いいか、風呂入って来い」
一樹に手を引かれて、悠はお風呂に向かった。
「着替え用意しておくから、脱いだものはそこの籠に入れておけ」
「洗濯してくれるんですか? 」
「ああ、そのほうが良いだろう? 」
「まぁ…そうだと思われ…」
「気にしなくていい、ゆっくり入って来い」
一樹が去ってゆくと、ため息をついて悠は服を抜いてお風呂に入って行った。
思ったより広いお風呂に、悠はちょっとびっくりしていた。
湯舟にはオレンジの香りがする入浴剤が入っていて、なんとなく落ち着いた。
シャンプーも無添加の物を使っているようで、洗った後サラサラしているのをのを手で触れても感じる。
ボディーソープも優しい香りがして。
お金持ちの人は、使っている物も違うのだと悠は思った。