一樹君の恋人は天使なんです

 翌日。

 悠はいつもと変わらないまま仕事をしていた。

 一樹は外出のため事務所には来ていなかった。


 顔を合わせないままそれぞれの仕事をしている悠と一樹。



「末森君、ちょっと手伝ってぇ」

 猫なで声で京香が悠の傍にやって来た。


 また棚の上のファイルを取ってとお願いする京香。

 妙にニコニコしている京香を見て、悠はちょっと気味が悪いと思っていた。


 事あるごとに近づいて来て、なにか怪しげに笑う京香に違和感を感じながら仕事をしていた悠。


 特に大きな事はないが、京香の考えていることがイマイチ分かりにくい。

 一樹は意味のない嘘をつくと言っていたが。

 ただの妄想癖なのだろうか?

 

 
 だが…

 京香の行動は日に日にエスカレートしていた。


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