一樹君の恋人は天使なんです

「いいわね、若い人って。お肌も艶々だし、唇もプルッとしているし。体も逞しいし…」


 グイッと悠の顎をとって、京香はニヤッと笑った。


「本当はね、所長じゃなくて末森君が好きなの。若くて綺麗な、末森君が好きなの」


 と…唇を近づけて来る京香。


「ちょ、ちょっと待ってください! やめて下さい! 」


 グイッと、京香を突き放した悠。


「なによ、照れなくてもいいじゃない。末森君も、私の事好きなの解っているのよ」

 と、強引にキスをしようと迫って来る京香から、悠は逃げた。


 資料室を出ようとドアに向かうと。


 バン! と、行く手を阻んだ京香。


「だめよ逃げないで。ちゃんとキスして」


 ギュッと悠の両肩をつかんで、京香は無理矢理キスをしようと迫って来る。


「やめて下さい! 」

「もう、照れなくていいのっ」


 無理矢理迫って来る京香に、押されそうになる悠…。


 この人、力強い…。
 もう…ダメ…。


 京香に押されそうになった。

 その時。


 バン! と資料室のドアが開いた。



 ハッとして京香は振り向いた。
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