一樹君の恋人は天使なんです
夕方になり、熱が下がってきた悠はなんとか食べれるものを作った。
家にある食材は卵とパンだった。
とりあえず目玉焼きを作って、パンの上に乗せて食べる悠。
美味しくもない…ただお腹何か入れるために食べている悠。
食べ終わると一息ついた。
「…人間の世界では、生きてゆくためには働かなくちゃならないのよね。…」
フッと一息ついて、悠は立ち上がり洗面所で顔を洗った。
「仕方ない…もう少しだから…」
そう言って何かを決意した悠。
ピンポーン。
チャイムが鳴り、悠はちょっと驚き玄関に向かった。
モニターを見ると…一樹の姿が映っていた。
そっか…この前送ってきてくれたから家知ってたんだ。
玄関のドアにもたれ悠は俯いた。
ピピピ。
携帯電話の着信音が聞こえた。
「もしもし? …あ、父さんどうしたの? 」
玄関の向こうで一樹の話し声が聞こえる。
悠は聞き耳を立てた。