一樹君の恋人は天使なんです
 とりあえず、一樹は何か悠に食べさせるために軽く食事を作る事にした。

 とてもぐったりしている悠。


 週末はあんなに痩せていなかったのに…どうしてだ? 

 
 一樹はちょっと疑問を感じていた。




 悠は一樹が来てくれた事が安心したのか、ぐっすり眠ってしまった。


 目を覚ましたのは18時になる頃だった。


 なんだかいい匂いがする…


 そう思って、悠はゆっくり起き上がりリビングへ向かった。




「ん? 起きたか? 」

 食卓の上に、美味しそうな野菜スープが用意されている。

 そしてお粥ではなく、リゾットのように味付けられているご飯もあった。


「ちょっと作ってみた。食べれるか? 」


 一樹は悠の傍に歩み寄り、そっと支えた。


「とりあえず座れよ。水分位いは取らないとな」


 食卓の椅子に悠を座らせて、一樹はお椀にスープをよそった。


「野菜スープ。飲んでみろよ」

 言われて悠は素直に飲んでみた。


「…美味しい…」


 とても味がしみ込んでいて、優しくて、なんだかホッとさせられた。


「よかった、口に合って。その野菜スープは、俺が子供の頃、風邪引いた時なんかに母さんがよく作ってくれたんだ」

「…お母さんが…。優しい人なんですね…」


 ゆっくりとスープを飲んでいる悠。

 そんな悠を一樹はじっと見つめていた。




 スープを飲み終えると、ちょっとだけ悠の顔色がよくなった。


 リゾットもちょっとだけ食べた悠。


「こんなの初めて食べました。…いつも、自炊はあまりしませんので…」

「そうか。俺は、1人暮らしが長いから。外食よりも自炊が多いかな。好きな物しか食べないけどさっ」

「…そうですか…」


 悠をじっと見つめている一樹。
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