一樹君の恋人は天使なんです
「それは兄が、万が一、この先の子孫が人間界に降りてきた時に困らないようにと。用意していたものです。なので、安心して下さい」
「知りませんでした。お爺様、人間だったのですね」
「恋した天使が、天空界のプリンセスで。後を継がなくてはならないようで、兄が逆に天空界へ行く事にしたのです。なので、貴女にも人間の血が流れているのです」
「私も人間の血が流れているのですね…。何となくわかる気がします…。ずっと、母から人間は酷いって聞かされていましたが。私はそうは思わなくて。いつも水晶で覗いていましたから」
「そうでしたか」
一息ついて、悠は昭三を見た。
「今日のお話し、少し考えてもいいですか? ちょっと、頭の中を整理したいので」
「はい、答えは焦りません。どんな答えが出されても、私は悠里さんの味方ですから」
「有難うございます」
昭三と別れて、悠は事務所に戻って行った。
お昼休みが終わる10分前に戻ってきた悠。
すると、事務所で許可が携帯の写真を周りに見せて何か自慢していた。
「ねぇ、すごいでしょう? 所長って、私にぞっこんなのよ」
美恵の隣で写真を見せている京香。
美恵はちょっと呆れたように聞いている。
悠がデスクに戻って来ると、京香が駆け寄ってきた。
「末森君、これ見て」
京香が悠に携帯の写真を見せてきた。
あまり見る気はしないが、目の前に写真を出されてしまい、嫌でも悠の視界に入ってしまった写真。
それを見て、悠はとても驚いた顔をした。
写真は京香と一樹が、ベッドの上で裸で抱き合っている写真と、一緒にベッドで寝ている写真だった。
「これね、アメリカにいる時に所長と写したの。所長は寂しがり屋だから、もう、毎晩誘ってきて大変よ。あの日は、所長にご奉仕して。終わったら、沢山シテもらうの。これは最近のよ」
次の写真を見せる京香は、満面の笑みを浮かべた。
次の写真は、一樹と京香がベッドの上で裸で絡み合っている写真だった。