一樹君の恋人は天使なんです
「とにかく、もうここで彼女の悪事は終わらせないといけない」
「わかっている。俺も、守るべき人ができたからな」
ジャーニスは、ん? と眉を上げた。
一樹はそっと微笑んだ。
そして…。
ジャーニスが帰った後、一樹は京香を呼び出した。
そして美恵にも一緒に話を聞いてもらうために来てもらった。
一樹は黙ったまま京香に調査して書類を見せた。
「これがどうかしたの? 」
居直った顔をして京香は一樹を見た。
「私が偽造写真を作って、それを周りに見せていた。だから、私を訴える? 」
「それは、まだ決めていない。それを見て、どう思うんだ? 」
「別に。訴えたいなら、訴えたらいいって思うだけ」
「それでいいのか? 本当に」
京香はクスッと笑いを浮かべた。
「構わないわよどうせ、殺人じゃないから。たいした罪にならないじゃない? せいぜい、慰謝料問題で示談で終わりよ。刑期があってもすぐ終わる。そうしたら…ちゃんと復讐してあげるあから…こんなことを調べた人にね…」
ニヤッと、不敵に笑いだす京香。
その笑いはなにかに取りつかれているように、恐ろしく狂っていた。
「判った。そうゆう考えであれば、それでいい。だが、この問題は日本だけではなく。アメリカもまたぐ問題になる。日本の法律と、アメリカでは違いがある」
「いいんじゃない? それでも…」
フッと、京香の目が曇った。
「…どこかで、誰かが止めないと。…止まらないでしょう? 」
髪を耳にかけ、京香は悲しげに笑った…。
「夢は事々く破れ、アメリカにまで行っても何も変わらなかった。日本に帰ってきて、それで何か変わるのかと思えば。…全く変わらなかった。…貴方も、全く振り向かない。…だから、あの末森君にちょっかいだしたのに。全く答えていないんだもの」