秘密の恋はアトリエで(後編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
大学1年、秋
1)
靭也とふたり、蜜月の時を満喫した夏休みは終わり、後期の授業が始まった。
落ち着く間もなく、すぐに大学祭の準備が始まり、学校全体に華やいだ空気が流れはじめた。
***
大学祭を翌日に控えた金曜日の夕方、校内のあちらこちらから、金づちを叩く音、バンドやオーケストラの練習の音、演劇部のセリフの練習などが聞こえてくる。
夜が更けるまで、静寂は訪れそうにない。
サークルに所属していない夏瑛と美岬はクラス展示を担当していた。
これまでの授業で制作した作品を展示するだけなのだが、さすがにモノづくりの好きな人間が集まっているだけあって、室内装飾に徹底的にこだわり、終わるまでにはまだ数時間はかかりそうだった。
「夏瑛、美岬、休憩に行ってきていいよ」
リーダー格の川島という男子学生がそう言ってくれた。
「そのかわり、戻ってきたら、今の3倍は働けよ」
「ラジャーッ!」
元気に返事をすると、美岬と夏瑛は連れだって中庭のベンチに座った。
落ち着く間もなく、すぐに大学祭の準備が始まり、学校全体に華やいだ空気が流れはじめた。
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大学祭を翌日に控えた金曜日の夕方、校内のあちらこちらから、金づちを叩く音、バンドやオーケストラの練習の音、演劇部のセリフの練習などが聞こえてくる。
夜が更けるまで、静寂は訪れそうにない。
サークルに所属していない夏瑛と美岬はクラス展示を担当していた。
これまでの授業で制作した作品を展示するだけなのだが、さすがにモノづくりの好きな人間が集まっているだけあって、室内装飾に徹底的にこだわり、終わるまでにはまだ数時間はかかりそうだった。
「夏瑛、美岬、休憩に行ってきていいよ」
リーダー格の川島という男子学生がそう言ってくれた。
「そのかわり、戻ってきたら、今の3倍は働けよ」
「ラジャーッ!」
元気に返事をすると、美岬と夏瑛は連れだって中庭のベンチに座った。
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