秘密の恋はアトリエで(後編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 夏瑛の手を引いたまま、中庭に到着した靭也は、バンドが演奏している最中のステージに登っていった。

(ゆき)……」
 バンドのメンバーは闖入者の乱入に驚き、演奏を中断した。

 靭也はヴォーカルの女の子に声をかけた。

「演奏中に悪い。ちょっとだけマイクを貸してくれる?」

 ねえ、あれ、靭先生じゃない。

 本当だ。先生、歌うのかな?

 えっ、飛び入り?
 
 会場にいた子たちが靭也に気づき、ざわつきだした。
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