秘密の恋はアトリエで(後編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 ふたりでソファーに座ってから、靭也は話しはじめた。

「大学4年、今から6年前だから、ちょうど夏瑛に初めて会った頃だったかな。そのころ、長い間くすぶり続けていた貴子さんへの想いが抑えきれなくなっていた。それで先生が留守のときを狙って、思いをとげようとした」

 たしかに聞いてうれしい話ではなさそうだ。
 でも、自分のすべてをさらけ出したいと言う靭也の気持ちを受けとめようと、夏瑛はとにかく、靱也の話にじっと耳を傾けた。

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