秘密の恋はアトリエで(後編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 そこへ美岬が帰ってきた。

「あっ、お邪魔しちゃった? 先生、いいんですか。こんなところで堂々と」夏瑛にコーヒーを渡しながら、美岬が言った。

「どうせここにいるのはきみだけだし。でも用事が済んだから行くよ。じゃあ夏瑛、予定開けといて。列車のチケット取っておくから」

「うん、わかった」

「なに、なに、なに、お泊りデートのお誘い? いいなあ」

「ちょっと、声が大きいよ、美岬」

 夏瑛は慌てて美岬の口を片手で押さえる。

 ふたりのやり取りを面白そうに見ていた靭也は「じゃあ」と言って去っていった。
< 4 / 42 >

この作品をシェア

pagetop