Time Traveler
すみれ「そんなに大変なことならみんなにも知らせたほうがいいんじゃ......」
亮平「みんながすぐに信じてくれるかどうかわからないだろ」
すみれ「じゃあなんで私に話したの?」
亮平「すみれが一番、俺の話を信じてくれると思った。それに......すみれは、みんなを助ける重要な鍵になると思う」
すみれ「私が?」
亮平「うん」
亮平は、未来の出来事を私に教えてくれた。
亮平「俺たちは、今から半年後、ファンの女の子に襲われて乱闘事件になる。ツアーの最終公演を無事に終えてホッとしてた俺たちのところに、突然アイツがやってきて、ナイフを振り回したんだ。
メンバー全員、命は助かったけど、トラウマで歌えなくなったやつも、逆に事件に関わる記憶を失ったやつもいる。一番ひどいのは、みんなを守ろうとしたやつが刺されて、今も意識不明のままってこと。誰がどんな状態だったかは、俺の口からはとてもじゃないけど......」
そこまで話して亮平は口をつぐんだ。
想像するだけでも苦しい出来事を目の前で実際に見た亮平は、きっともっと苦しい思いをしてここにやって来たんだろう。