この男、危険人物につき取扱注意!

そして今日は、2019年8月28日。
千夏の27回目の誕生日。

「はぁ…憂鬱…」

子供の頃…あんなに好きだった夏も…
今は大っ嫌い!
だって、歳だけとってくんだもん…

「はぁ…」


昨夜0時を過ぎた頃から何度も溜息をつく千夏を、隣の席の同僚が鬱陶しいとばかりに、千夏を横目に睨み咳払いをしていた。
だが、そんな事にも気づく事が出来ないほど、千夏の頭を悩ましてる事があるのだ。
それは、千夏の誕生日を毎年家族皆んなでお祝いしようと家で待ってる事だ。

子供の頃ならまだしも大人になった今も、沢山のご馳走を用意し帰りを待っていられる事に、もう何年も前から拒絶続けて来たのだが、千夏を溺愛する兄達によって毎年却下され今日まで続いて来たのだ。


マジでありがた迷惑なんだよね…
きっと…今年も信兄ぃ張り切って料理作るんだろうなぁ…
嫌だけど…帰んないとね…


自分の誕生祝いを面倒だと思いながらも、すっぽかすと更に面倒な事になる事を知ってる千夏は、早く帰ろうと仕事に勤しんでいるところへ同じチームの後輩ひとりが近寄って来た。


「千夏さぁ〜ん、お願いがあるんですけど…?」

まただぁ…
今日はこれで何人目よ⁉︎
私の体はひとつしか無いってんの!

「…ハァ…何かしら?」

後輩から泣き付かれ、ため息まじりに返事する千夏。





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