極上弁護士の耽溺プロポーズ
プロローグ
墨を流したように真っ暗な中、誰かの優しい声がした。
心配そうに、何度も何度も名前を呼ばれる。
「光希……光希……」
「ーー……?」
目を開けると、至近距離に男の人の顔があった。
憂いを含んだその顔は、まるで少女漫画の中から抜け出した王子様のようにきれいで、わたしは夢の続きを見ている気がした。
彼の胸元には、金のバッジがちらついている。
それには天秤の模様が刻まれていた。
こんなに近くで見たのは初めてかもしれない。
「……柊一くん……?」
口を開くと、柊一くんはほっとしたように微笑んだ。
「ああ。大丈夫か? ここは病院だ。光希はついさっき、車に轢かれそうになったんだよ。覚えているか?」
柊一くんは大きな手で、ベッドに横たわるわたしの頭を撫でる。
「いたっ……」
突然頭がガンガン打ちつけるように痛み出し、わたしは顔をしかめた。
慌てて手を退けた柊一くんがナースコールを押す。
わたしはあまりの痛みにそのまま気を失った。
心配そうに、何度も何度も名前を呼ばれる。
「光希……光希……」
「ーー……?」
目を開けると、至近距離に男の人の顔があった。
憂いを含んだその顔は、まるで少女漫画の中から抜け出した王子様のようにきれいで、わたしは夢の続きを見ている気がした。
彼の胸元には、金のバッジがちらついている。
それには天秤の模様が刻まれていた。
こんなに近くで見たのは初めてかもしれない。
「……柊一くん……?」
口を開くと、柊一くんはほっとしたように微笑んだ。
「ああ。大丈夫か? ここは病院だ。光希はついさっき、車に轢かれそうになったんだよ。覚えているか?」
柊一くんは大きな手で、ベッドに横たわるわたしの頭を撫でる。
「いたっ……」
突然頭がガンガン打ちつけるように痛み出し、わたしは顔をしかめた。
慌てて手を退けた柊一くんがナースコールを押す。
わたしはあまりの痛みにそのまま気を失った。
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