極上弁護士の耽溺プロポーズ
スプリングが重みで沈み込む。

硬直するわたしの後ろに、柊一くんは何も言わずに横たわった。

ベッドはかなり広く、ふたり寝てもまだ余裕がある。

背後に柊一くんの気配を感じるけれど、意識しなければ何も問題はない。

けれどわたしはとてつもなく意識していた。

柊一くんの甘い匂いとお風呂上がりの高い体温に煽られる。

それだけでも十分苦しいのに、わたしはさらに自分を追い詰める質問を柊一くんに投げかけてしまった。

「ねえ柊一くん……、わたしたち付き合ってるってほんと? い、いつから?」

言った途端に後悔した。

顔が真っ赤になる。

この状況でその質問はないって、自分でもわかった。

「……」

柊一くんはわたしの背後で黙ったままだ。
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