極上弁護士の耽溺プロポーズ
同居生活
翌朝、胸にズシッと重みを感じて目を覚ますと、柊一くんに抱かれて眠ったことをすさまじい勢いで思い出した。

寝起きの気だるさを感じる間もなく、一気に目も頭も冴え渡る。

慌てて柊一くんの腕を退けようとしたけれど、耳元で規則正しい寝息が聞こえて、起こしたらかわいそうだととっさに思った。

「……」

手を止めて、柊一くんの寝顔をぼんやりと眺める。

わたしと柊一くんは、こんなふうに一緒のベッドで眠るような仲……。

それに比べれば一時的に記憶を失っていることなんて小さなことだと思える。

子どもの頃からずっと親友だった柊一くんとの今の関係は衝撃的すぎて、簡単には受け入れられなかった。

記憶が戻れば、こんなに気を揉むこともないのだろうか。

いや、どちらにせよ付き合っているという事実に変わりはないという結論に達すると、さらに憂鬱になった。

「先生! いらっしゃるんですか!」

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